2007-07-12から1日間の記事一覧

『ぼくの採点表 別巻(戦前篇)』より 『アンナ・カレニナ』評

・1927年版 ☆☆☆★ グレタ・ガルボの文芸映画路線。アメリカ題名が変えられているのは、アチラの大衆が日本ほどトルストイの名作に親しんでいないせいか、あるいは扱いが甘いのでMGM社が遠慮したせいか。事情はわからないが、甘い扱いながら作品としてちゃんと…

『ぼくの採点表 別巻(戦前篇)』より 『カルメン』評

・1926年版 ☆☆☆★★ 筋書などあらためて書く必要もない「カルメン」だが、これはジャック・フェデーの監督で、ビゼーのオペラではなくメリメの原作小説にもとづいた映画化である。演ずるは、後にチャップリンの「街の灯」の主題歌の原曲「ラ・ヴィオレテラ」を…

双葉十三郎『ぼくの採点表 別巻(戦前篇)』より 『椿姫』評

・1921年版 ☆☆☆★(☆=20点 ★=5点) パリ社交界、椿の花が好きなのでと呼ばれている高級遊女(クルティザン)のマルグリート・ゴーチエは、伊達男たちの憧れの的だったが、若いアルマン・デュヴァルと恋におちる。が、アルマンの父は息子の将来を思い、彼女…