ナクソス・ヒストリカルレーベルのマリア・カラス出演全曲盤

ポンキエッリ『ラ・ジョコンダ』(1952)

https://ml.naxos.jp/album/8.110302-04

マリア・カラス(1923-77)は53年からEMIに録音を開始、多くの傑作を残すことになりますが、その直前の49年から53年にかけては、イタリア国営放送(RAI)と関係の深いレコード会社、チェトラと録音契約を結んでいます。このCDには生涯初の商業録音となる49年の3曲のアリアと、同じく初の全曲盤となる52年の《ジョコンダ》が収められています。カラスは54年に急激に体重を減らし、同時に歌唱表現でも鋭敏さを増すことになりますが、その反作用として声の豊かさや強大さを失います。ここではそれ以前の力強い声を聴くことができます。 (山崎浩太郎)(2004/04/01 発売)

ドニゼッティランメルモールのルチア』(1953)

https://ml.naxos.jp/album/8.110131-32

現代にベル・カント・オペラのリヴァイヴァルを確固たる物にしたのは、他ならぬカラスでした。彼女の魅力は、トータルな意味での声のドラマ性にあります。オペラ・セリアに適したドラマティックな声質を持つ一方でコロラトゥーラの技術も併せ持ち、それらに演技力を加え、空前絶後の「ルチアの狂乱」を体現したのでした。このオペラを支える狂乱の場において、控えめな様相で始まり徐々に緊張を高め、カヴァレッタで燦然たるコロラトゥーラの技巧を披露し、最高音Esでクライマックスに到達するその快感は、一度聴いたら病み付きになること必至です。カラスのスタジオ録音の決定盤と言われている、セラフィンとの旧録盤の復刻です。(2005/04/01 発売)

ベッリーニ清教徒』(1953)

https://ml.naxos.jp/album/8.110259-60

このCDは、EMIがスタジオ録音した全曲盤の初発売当時のLPを音源として覆刻したものです。マリア・カラス(1923-77)がミラノ・スカラ座のオーケストラと合唱団との共演で録音した、最初の全曲盤でした。芸歴の始まりの頃、トゥーランドット姫やブリュンヒルデを歌うドラマティコだったカラスが、切れ味鋭いコロラトゥーラの技巧を持っていることを初めて披露したのは、49年ヴェネツィアの《清教徒》公演です。至高のプリマ・ドンナ、唯一無二の存在としてのカラスの名を知らしめたその役が、EMIへのデビュー盤ともなったのです。(山崎浩太郎)(2004/03/01 発売)

マスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』(1953)

https://ml.naxos.jp/album/8.111025

厚く結ばれたはずの友情や家族愛が、ほんの少しの掛け違いによって取り返しのつかない悲劇的な結末を迎える・・・主人公のトゥリッドゥにはその愚直と激しい気性を演ずることが求められますが、このCDが収録された時期のディ・ステファノは、まさに美声に物言わせた猪突猛進型の歌手で、トゥリッドゥにうってつけでした。迎え撃つカラスはスカラ・デビューを果たし、3年後にメト・デビューを控え、まさにスター街道を驀進中の時期。EMIの2大スターによるモノラル期最後の録音群の中で、「道化師」と並び強いインパクトを残したものとして記憶されている盤の復刻です。(2006/04/01 発売)

プッチーニ『トスカ』(1953)

https://ml.naxos.jp/album/8.110256-57

ヴェルディ『椿姫』(1953)

https://ml.naxos.jp/album/8.110300-01

ベッリーニ『ノルマ』(1954)

https://ml.naxos.jp/album/8.110325-27

ノルマはマリア・カラスが最も愛した役でした。1948年から1965年までの間に92回も舞台で歌っています。このCDは彼女の2回のスタジオ録音のうち1回目のもの。またベッリーニの「ノルマ」の初の全曲録音でもありました。若く瑞々しい声と共感の深いドラマティックな彫込みのカラスのノルマは、歌手としてのカラス、「ノルマ」というオペラ、そしてベッリーニという作曲家、全ての評価を一気に高めたのです。このCDは良質なLPから新たに復刻したもの。本来の密度の濃い音質が蘇っています。余白には20世紀前半の大歌手たちが歌う「ノルマ」名場面集、これも貴重!(2005/04/01 発売)

レオンカヴァッロ『道化師』(1954)

https://ml.naxos.jp/album/8.111024

ヴェリズモ・オペラとして登場人物に生々しい人間性が求められる「道化師」。とりわけ劇中劇に於いては、歌はもとより輻輳した演技力が求められるところです。演技力の卓越したカラスが、劇場でネッダを一度も演じていないのが惜しみて余りありますが、幸いにも5種類の録音を残しました。このCDはEMIのもと、指揮者セラフィンに見いだされた彼女と、既にEMI傘下のスター・テノールでのちに畏友となるディ・ステファノが共にヒットを飛ばしたシリーズの一つです。ゴッビ、パネライといった名バイ・キャストを加え、息のあった、しかしおどろおどろしいまでの悲劇を余すことなく演じきっています。(2006/04/01 発売)

ヴェルディ運命の力』(1954)

https://ml.naxos.jp/album/8.111322-24

ロッシーニイタリアのトルコ人』(1954)

https://ml.naxos.jp/album/8.111028-29

異国の権力者と取り巻く女達、その回りの男達が織りなす喜劇「イタリアのトルコ人」。劇中劇を用いて騒ぎに巻き込まれる人々を一歩ひいて俯瞰して書き上げているところがいかにも通人ロッシーニらしく、近年高く再評価されています。大アリア形式と言うよりむしろアンサンブル主体に構成されたオペラですが、やはりコロラトゥーラを初めとするロッシーニ作品に欠かせない技巧が要求される作品。これを現代にリバイバルさせた立役者は当然カラス。このCDが録音された頃のカラスは技巧も堅固で、ロッシーニの自然な旋律線の流れを流麗に歌いこなしています。そしてボーナス・トラックには、もっとも知られた絢爛たるコロラトゥーラの難曲を収録。ステレオ時代とはまた装飾の付け方が微妙に違っています。(2006/04/01 発売)

プッチーニ蝶々夫人』(1955)

https://ml.naxos.jp/album/8.111026-27

ヴェルディアイーダ』(1955)

https://ml.naxos.jp/album/8.111240-41

ヴェルディリゴレット』(1955)

https://ml.naxos.jp/album/8.111242-43

ヴェルディイル・トロヴァトーレ』(1956)

https://ml.naxos.jp/album/8.111280-81

プッチーニラ・ボエーム』(1956)

https://ml.naxos.jp/album/8.111332-33

ヴェルディ『仮面舞踏会』(1956)

https://ml.naxos.jp/album/8.111278-79

ベッリーニ夢遊病の女』(1957)

https://ml.naxos.jp/album/8.111284-85

世紀の名ソプラノ、カラスの偉業については今更何も語ることはないでしょう。このオペラはベッリーニ30歳の作品で、あまり劇的なあらすじではないはずなのですが、カラスが歌うと何故か、手に汗握るサスペンス(?)に変貌してしまうところがスゴイのです。ボーナス・トラックの2つのオペラも、彼女こそがヒロインに生身の体を与えたと言えるでしょう。(2009/03/25 発売)

プッチーニトゥーランドット』(1957)

https://ml.naxos.jp/album/8.111334-35

プッチーニマノン・レスコー』(1957)

https://ml.naxos.jp/album/8.112031-32