p8「1931年3月満洲事変、1932年に満洲国建国」→「1931年9月満洲事変、1932年3月に満洲国建国」

p16「興安院」→「興亜院」

p198「1945年5月」→「1945年6月」

 

 

きのう何食べた?(15) (モーニング KC)

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「日本スゴイ」のディストピア 戦時下自画自賛の系譜 (朝日文庫)

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ナクソス・ヒストリカルレーベルのプッチーニ作曲オペラ全曲盤

ラ・ボエーム』(1938)※イタリアHMV

ウンベルト・ベレットーニ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

ベニャミーノ・ジーリ(ロドルフォ)、リチア・アルバネーゼ(ミミ)、アフロ・ポーリ(マルチェッロ)

第二次世界大戦前年の1938年にミラノで録音された全曲です。1918年の最初の全曲盤以来、早くも4つめの録音となるものですが、SP時代の録音ではこの曲のいちばんの名演として有名です。その特長の第1は、20世紀のリリック・テノールとして最高の歌手、ベニアミーノ・ジーリ(1890~1957)がロドルフォ役を歌っていること。甘く、しかも澄んだその歌声による演唱は、今もこの役の規範となるものです。ミミを歌うのはリチア・アルバネーゼ(1913~ )。フレーニ風の美声ではない、大きな歌いまわしとドラマ性で聴かせます。(山崎浩太郎)(2001/07/01 発売)

『トスカ』(1938)※イタリアHMV

オリヴィエーロ・デ・ファブリーティス指揮ローマ王室歌劇場管弦楽団演奏

マリア・カニーリア(トスカ)、ベニャミーノ・ジーリ(カヴァラドッシ)、アルマンド・ボルジョーリ(スカルピア)

イタリア最高の人気テノール歌手として活躍したベニアミーノ・ジーリ(1890-1957)をカヴァラドッシ役にすえた、SP覆刻による全曲盤です。指揮をするのはローマ王室歌劇場(現在のローマ歌劇場)の芸術長官、オリヴィエーロ・デ・ファブリティース(1902-82)。トスカ役はマリア・カニーリャ(1905-79)。当初のトスカ役だったイーヴァ・パチェッティが第1幕の録音途中で降板したための代役でしたが、以後はジーリの相手役として数曲の全曲録音をすることになります。なおフランスの大プリマ、ニノン・ヴァラン(1886-1961)の仏語版抜粋も附録で聴けます。(山崎浩太郎)(2002/05/01 発売)

トゥーランドット』(1938)※チェトラ

フランコ・ギオーネ指揮トリノRAI交響楽団演奏

ジーナ・チーニャ(トゥーランドット)、フランチェスコ・メルリ(カラフ)、マグダ・オリヴェロ(リュー)

トゥーランドット姫の役は、ワーグナーが作曲したブリュンヒルデ役やイゾルデ役とともに、超ドラマティックなソプラノのみが歌いこなせる役とされています。その難役を「まるで私のために書かれたようだ」と豪語したのが、フランス生まれでイタリアに活躍したジーナ・チーニャ(1900-2001)です。19世紀最後の年から21世紀最初の年まで、3世紀にまたがって生きた彼女は、本人の言によればこの役を生涯に500回も歌ったそうです。他のキャストもメルリ(1887-1976)、オリヴェーロ(1910- )と強力。1926年初演当時の貴重な録音たちも嬉しい付録です。(山崎浩太郎)(2003/01/01 発売)

蝶々夫人』(1939)※イタリアHMV

オリヴィエーロ・デ・ファブリーティス指揮ローマ王室歌劇場管弦楽団演奏

トティ・ダル・モンテ(蝶々さん)、ベニャミーノ・ジーリ(ピンカートン)、マリオ・バシオラ(シャープレス)

蝶々夫人》の主役は軽いリリコから重いドラマティコまで、さまざまな声質のソプラノ歌手によって歌われます。この全曲盤の特徴は、コロラトゥーラ・ソプラノとしてイタリアで絶大な人気を誇った、トーティ・ダル・モンテ(1892-1975)が歌っていることです。スカラ座での《ランメルモールのルチア》や《リゴレット》で名声を博したダル・モンテは録音が少なく、全曲盤はこの《蝶々夫人》が唯一のもの。現代ではまず聴くことのない声質で、貴重な遺産です。ジーリのピンカートン役もお見事。余白にはダル・モンテのアリア集も収められています。(山崎浩太郎)(2002/08/01 発売)

マノン・レスコー』(1949年12月10日、メトロポリタン歌劇場ライブ)

ジュゼッペ・アントニチェッリ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団演奏

ドロシー・カーステン(マノン)、ユッシ・ビョルリング(デ・グリュー)、ジュゼッペ・ヴァルデンゴ(レスコー)

スウェーデンが生んだ名テノール、ユッシ・ビョルリンクは1938年にメトロポリタン歌劇場に初登場、戦争による中断後45年から亡くなる60年まで、この歌劇場の大スターとして喝采を浴びました。デ・グリューをここで初めて歌ったのは本CDの17日前のことでしたが、大成功して5年後の54年にはRCAにスタジオ録音することになります。共演のドロシー・カーステン(1917~)はスタジオ録音が少ないため日本では知られていませんが、メトでは蝶々さん役などプッチーニ歌いとして、45年以来足かけ34年の長きにわたって活躍したソプラノです。(2001/04/01 発売)

ラ・ボエーム』(1951)※デッカ

アルベルト ・エレーデ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団演奏

レナータ・テバルディ(ミミ)、ジャチント・プランデッリ(ロドルフォ)、ジョヴァンニ・インギッレリ(マルチェッロ)、ヒルデ・ギューデン(ムゼッタ)

1950年代初めにLPが商品化されたことは、クラシックのレコード界に革命的な変化をもたらしました。とりわけオペラについては全曲録音がSP時代より格段に容易に、手軽に楽しめるようになりました。イギリスのデッカ・レコードは早速この分野に進出、51年夏にローマでプッチーニの人気3作品をまとめて録音しました。3作品すべてのヒロインに抜擢されたのが、「天使の声」と呼ばれて人気を高めつつあった、当時まだ29歳のレナータ・テバルディ(1922- )です。彼女のその後の成功は、この《ラ・ボエーム》などの好評が決定づけたのです。(山崎浩太郎)(2003/07/01 発売)

蝶々夫人』(1951)※デッカ

アルベルト ・エレーデ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団演奏

レナータ・テバルディ(蝶々さん)、ジュゼッペ・カンポーラ(ピンカートン)、ジョヴァンニ・インギッレリ(シャープレス)

レナータ・テバルディ(1922- )の歌う《蝶々夫人》というと、1958年にトゥリオ・セラフィンの指揮でステレオ録音されたデッカ盤が、現在ではよく知られています。このCDはその7年前に同じデッカにモノラル録音された、テバルディの最初の《蝶々夫人》全曲LPを覆刻したものです。デッカ・レーベルはイタリア・オペラの名作群の全曲録音を開始するにあたり、29歳の若きテバルディをその中心的なプリマ・ドンナに抜擢、その成功によってその後の録音活動の基礎としたのです。このCDには49年、最初期のテバルディのアリア録音も収められています。(山崎浩太郎)(2003/11/01 発売)

『トスカ』(1953)※コロムビア=EMI

ヴィクトル・デ・サバタ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

マリア・カラス(トスカ)、ジュゼッペ・ディ・ステファノ(カヴァラドッシ)、ティート・ゴッビ(スカルピア)

EMIが1953年に製作した《トスカ》の商業録音は、ヒロイン役のマリア・カラス(1923-77)をはじめとする3人の主役たち、そして指揮者とオーケストラの理想的な顔合わせが実現した決定盤として知られています。モノラル録音ですが、その価値は半世紀をへた現在でもまったく減じていません。しかし残念なことに、マスターとなる磁気テープは次第に劣化するため、音質については以前のままといかないのです。そこでこのCDは、初期に発売された鮮度の優れたLPを音源として、初発売当時の新鮮で生々しい響きを再現しようとするものです。(山崎浩太郎)マーク・オバート=ソーンによる制作後記 この古典的名演が、これまで制作されたオペラ全曲盤の中で最も優れたスタジオ録音であることはほぼ間違いありません。過去半世紀に渡ってカタログから消えたことは一度もなく、様々なメディアに形を変えて幾度も再発売されています。しかし、マリア・カラス研究者ロバート・E・セレツキー博士が指摘しているように、これまでリリースされてきたソフトには、EMI最新の「グレート・レコーディング・オブ・ザ・センチュリー」(※注 その後、さらに別規格での再発あり)シリーズ中のCDも含めて、マスターテープと編集作業に起因する問題点が残されています。 オリジナルのLPレコードには、盤面ごと、また同じ盤の中でさえもピッチの不一致がありました。編集ミスもあり、唐突に目立って現われる音量のばらつきもあります。EMIの三種類のCD復刻盤では、こうした問題のいくつかが、あるエディションでは訂正されていても次のエディションでは元に戻っていたり、また、別の新たな編集上の問題が混入したりしています。(例えば、最初の「カラス・エディション」盤CDでは、第一幕でトスカが「マリオ!マリオ!マリオ!」と歌う部分で音質が変化しています)最新のGROC復刻では、こうした問題点を、著しくピッチの平準化をすることでかえって悪化させています。比較的短いオペラであるのに一分半近くも演奏時間が伸びてしまい、聴き手がテンポと歌手の音色を感じ取る際にも(悪)影響を及ぼします。 今回のNAXOS盤復刻のために、私は10セット以上の「トスカ」LP盤を組み合わせ、8週間の大部分を復刻作業、試聴、比較に費やし、私が満足する結果が出るまで、何度もプロジェクトをやり直しました。(2004/03/01 発売)

マノン・レスコー』(1954)※RCAビクター

イオネル・ペルレア指揮ローマ歌劇場管弦楽団演奏

リチア・アルバネーゼ(マノン)、ユッシ・ビョルリング(デ・グリュー)、ロバート・メリル(レスコー)

1934年「蝶々夫人」の代役で彗星のごとくデビューを飾ったアルバネーゼ。以降パルマスカラ座へとプリマへの階段をとんとん拍子にのぼり、メトではリリックな役どころを中心として、トスカニーニにも重宝されるなど華々しく活躍しました。ケレン味のない率直な発声は、マノンを妖婦と言うよりも悩み多き女性という共感を寄せられる存在として表現しています。タイトル・ロール以上の活躍が求められる青年デ・グリューは、脂ののりきったビョルリンクがその溌剌たる美声を生かして、「騎士道精神」あふれる青年を好演。二人が破滅へと導かれる残酷な物語でありながら深い哀切も漂わせているのは、2大スターの力に依るところが大きいでしょう。(2006/04/01 発売)

蝶々夫人』(1954)※HMV=EMI

ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ指揮ローマ歌劇場管弦楽団演奏

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(蝶々さん)、ジュゼッペ・ディ・ステファノ(ピンカートン)、ティート・ゴッビ(シャープレス)

有名な作品なのに、あまり録音の多くないプッチーニの名作「蝶々夫人」。こちらは1954年録音のデ・ロス・アンヘレスによる歴史的名演です。繊細さと煌く美しさで迫るアンヘレスの蝶々さん、躍動的でスリリングなディ・ステファノのピンカートン、驚くほど深い表現力がすばらしいゴッピのシャープレス。彼らをきっちりまとめたガバッツェーニのタクトにも脱帽です。(2008/07/16 発売)

蝶々夫人』(1955)※コロムビア=EMI

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

マリア・カラス(蝶々さん)、ニコライ・ゲッダ(ピンカートン)、マリオ・ボリエッロ(シャープレス)

カラヤンの指揮による初回の蝶々夫人の録音として知られるこの盤は、モノラルによるカラスの録音の最上盤でもあります。CD1トラック4「この空! この海!…あと少しで着くわ」のアリアでは、ハイD♭をなんなくクリアしており、音程の安定感一つとっても、彼女が技術的にも最高のコンディションにあったことがうかがい知れます。登場からピンカートンと結ばれるまでの可憐さ、一抹の不安を感じながら期待しつつ夫の帰りを待つ心情、そして破局へと向かう覚悟という心模様の変化を、表層的なテクニックではなく、微妙な声の演技によって表出しており、聞くものを悲劇の中へと引き込まずにいられません。若々しいゲッダが、お気楽なアメリカ人を演じながら、最後に一転して残す悲痛な叫びも耳に残ります。(2006/04/01 発売)

『外套』(1955)※HMV=EMI

ヴィンチェンツォ・ベレッツァ指揮ローマ歌劇場管弦楽団演奏

ティート・ゴッビ(ミケーレ)、マーガレット・マス(ジョルジェッタ)、ジャチント・プランデッリルイージ

ジャコモ・プッチーニの作曲した全1幕のオペラ「外套」。パリ・セーヌ河畔に暮らす荷物船の老船長と部下の若者、そして船長の妻の三角関係を描いた悲惨な作品です。この録音は、何といっても船長役のゴッビの絶唱で知られているもので、悲痛さの中に漂うプッチーニ独特の耽美さをあますことなく描き出しています。(2008/10/08 発売)

ラ・ボエーム』(1956)※RCAビクター

トーマス・ビーチャム指揮RCAビクター管弦楽団演奏

ユッシ・ビョルリング(ロドルフォ)、ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ミミ)、ロバート・メリル(マルチェッロ)、ルシーン・アマーラ(ムゼッタ)

ロドルフォとミミ以外の登場人物にも重要な役割が担われる「ラ・ボエーム」。いずれ劣らぬ個性と力量の発揮が必要なため、すべてのサブ・キャスト達が充実した盤に出会うことはなかなかありません。この盤では、ビョルリンクは第1幕では輝かしいハイCを披露(ミミと連れだってカフェに行くエンディングでは、最近の慣習のユニゾンではなく楽譜通りのGを歌っています。)。そして彼以外の登場人物は千両役者が勢揃い。特筆すべきは、マルチェルロ役のメリルのすばらしい美声と、その滑脱な声の演技です。第2幕でのムゼッタのワルツを含んだシーンでの活躍ぶりは、主役の二人をくってしまいかねないほどの秀逸なもの。低声ファンなら聞き逃せません。(2007/06/01 発売)

ラ・ボエーム』(1956)※コロムビア=EMI

アントニーノ・ヴォットー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

マリア・カラス(ミミ)、ジュゼッペ・ディ・ステファノ(ロドルフォ)、ロランド・パネライ(マルチェッロ)、アンナ・モッフォ(ムゼッタ)

屋根裏部屋に住む、気合いだけはたっぷりの芸術家たちと、貧しいお針子ミミ、コケティッシュなムゼッタの他愛ない日常物語。最後はお決まりの悲劇とは言え、全体を貫く生き生きとした情熱を描く最高の歌手たち。もちろん主役はマリア・カラスです。(2009/03/25 発売)

『修道女アンジェリカ』(1957)※HMV=EMI

トゥリオ・セラフィン指揮ローマ歌劇場管弦楽団演奏

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(アンジェリカ)、フェドーラ・バルビエーリ(公爵夫人)

プッチーニによるこの1幕のオペラは、「自殺はキリスト教において大罪である」という約束事を知らないと理解しにくいかもしれませんが(オペラに於いて主人公はよく自らの命を絶つものです)、宗教観を抜きにしてもこの美しさは伝わることでしょう。ここで修道女アンジェリカを歌っているのは、1950年代、まさしく最絶頂期を迎えたデ・ロス・アンヘレスです。この上なく感動的、かつ完璧で美しい歌唱は1958年のリリース時に大賛辞を持って人々に迎え入れられたものです。(2009/08/26 発売)

トゥーランドット』(1957)※コロムビア=EMI

トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

マリア・カラストゥーランドット)、エウジェニオ・フェルナンディ(カラフ)、エリーザベト ・シュヴァルツコップ(リュー)

氷の心を持つ姫君、トゥーランドット。しかしカラスが歌うと一味違います。冷酷さと迫力、そして愛を知った後の変貌。なんと人間的なヒロインなのでしょう。若きシュヴァルツコップの歌うリューの初々しさも絶品です。(2009/03/25 発売)

マノン・レスコー』(1957)※コロムビア=EMI

トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

マリア・カラス(マノン)、ジュゼッペ・ディ・ステファノ(デ・グリュー)、ジュリオ・フィオラヴァンティ(レスコー)

この1957年のマノン・レスコーの驚くばかりの音の良さ。もともとクリアな音質でしたが、復刻の名手マーク・オーバート=ソーンはその音に更に磨きをかけました。当時34歳の世紀の歌姫、マリア・カラスの歌声も瑞々しく蘇っております。とりわけ第2幕「時は美しく楽しうございます」の正確な歌唱と艶やかな声をお聴きください。必ずや陶酔の境地へと達することでしょう。余白に収録されたディ・ステファノのアリア集も秀逸です。頭の芯を揺さぶるような光り輝く美声です。(2010/03/17 発売)

 

 

ナクソス・ヒストリカルレーベルのヴェルディ作曲オペラ全曲盤

『椿姫』(1928)※コロムビア

ロレンツォ・モラヨーリ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

メルセデス・カプシール(ヴィオレッタ)、リオネッロ・チェチル(アルフレード)、カルロ・ガレッフィ(ジェルモン)

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1928年、イギリス・コロンビア・レーベルによってSP用にスタジオ録音された、史上3番目の全曲です。ヴィオレッタ役を歌うメルセデス・カプシール(1895-1969)はスペインの歌手で、この《椿姫》や《リゴレット》など、いくつかの全曲録音のヒロインをつとめたことで、その名声を不滅のものとしたコロラトゥーラ・ソプラノです。当時のスカラ座ではこの役はリリコによって歌われていましたが、英米独仏ではコロラトゥーラが歌うことが少なくありませんでした。カプシールの起用はいかにもイギリスの会社らしい選択です。(山崎浩太郎)(2001/06/01 発売)

イル・トロヴァトーレ』(1930)※コロムビア

ロレンツォ・モラヨーリ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

フランチェスコ・メルリ(マンリーコ)、ビアンカ・スカッチャーティ(レオノーラ)、エンリコ・モリナーリ(ルーナ伯爵)、ジュゼッピーナ・ジネッティ(アズチェーナ)

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1930年前後の数年間に、スカラ座のオーケストラと合唱を起用したオペラ全曲盤が多数制作されました。といっても初期のものは歌手の方は若手ばかり、スカラ座の舞台経験のない人が主役をつとめていましたが、30年ごろからの録音では本当のスカラ座のスター歌手たちが多く参加するようになります。この《トロヴァトーレ》はその代表例で、レオノーラ役のスカッチャーティ(1894-1948)、アズチェーナ役のジネッティ(1889-1973)、ルーナ役のモリナーリ(1882-1956)などが花と競います。なかでもメルリ(1887-1976)は輝く高音で知られた人気ロブスト・テノールでした。(山崎浩太郎)(2002/02/01 発売)

ファルスタッフ』(1932)※コロムビア

ロレンツォ・モラヨーリ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

ジャコモ・リミニ(ファルスタッフ)、ロベルト・ダレッシオ(フェントン)、ピア・タッシナーリ(アリーチェ)、イネス・アルファーニ=テッリーニ(ナンネッタ)、アウローラ・ブアデス(クイックリ―夫人)

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1920年代のミラノ・スカラ座は名指揮者トスカニーニの統率により、その長い歴史の中でも特筆すべき黄金時代を迎えました。その幕開けとなったのが1921年12月26日の《ファルスタッフ》公演で、以後このオペラはトスカニーニの十八番として、彼が29年に退くまで欠かさず上演され続けたのです。当CDのイタリア・コロンビア録音は、この傑作の史上初の全曲録音であるだけでなく、トスカニーニのもとで演奏した、主役のジャコモ・リミニ(1887-1952)など何人かの歌手たちとオーケストラが参加している点で、不滅の価値をもつものです。(山崎浩太郎)(2002/10/01 発売)

オテロ』(1938年2月12日、メトロポリタン歌劇場ライブ)

エットーレ・パニッツァ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団演奏

ジョヴァンニ・マルティネッリ(オテロ)、エリーザベト・レートベルク(デズデーモナ)、ローレンス・ティベット(イアーゴ)

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ヴェルディのオペラのうち、その文学性が飛びぬけて高い「オテロ」。従来のヴェルディ作品の輝かしさだけでなく、各々持つ光と影、純粋さと醜さ、強さと脆さを織り込まなければならないという試練を克服しているのが、このCDのメトを代表する面々です。迫力あるメトの合唱を突き破らんばかりの、登場シーンも圧巻なオテロ役のマルティネッリは、雄々しい英雄がやがて崩壊していく己の様を、その輝かしい声で余すところなく表現。レートベルク歌う定番の「柳の歌」「アヴェ・マリア」は切々たる情に満ちた名唱です。温かみが持ち味のバリトン・ティベットが、奸計をたくらむ悪役に徹しきっている芸達者ぶりも聞き逃せません。(2005/09/01 発売)

運命の力』(1941)※チェトラ

ジーノ・マリヌッツィ指揮トリノ・イタリア放送管弦楽団演奏

マリア・カニーリア(レオノーラ)、ガリアーノ・マシーニ(ドン・アルヴァーロ)、カルロ・タリアブーエ(ドン・カルロ)、エベ・スティニャーニ(プレツィオジッラ)

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第二次世界大戦中の1941年、トリノの放送局のオーケストラと合唱団による全曲盤ですが、主役の歌手たちと指揮者は当時のミラノ・スカラ座で活躍していた人ばかりです。ソプラノのマリア・カニーリャ(1905-79)、メゾ・ソプラノのエベ・スティニャーニ(1904-74)、バリトンのカルロ・タリアブーエ(1898-1978)、バスのタンクレディ・パゼロ(1893-1983)という、イタリアを代表する強力歌唱陣の中でもとりわけ輝きを放つのは、テノールガリアーノ・マジーニ。贅肉のない、雄雄しくも悲劇的な歌声をもったこの名歌手の、数少ない全曲盤の記録です。(山崎浩太郎)(2002/07/01 発売)

『仮面舞踏会』(1943)※イタリアHMV

トゥリオ・セラフィン指揮ローマ王室歌劇場管弦楽団演奏

ベニャミーノ・ジーリリッカルド)、マリア・カニーリア(アメリア)、ジーノ・ベーキ(レナート)、フェドーラ・バルビエーリ(ウルリカ)

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ムッソリーニ時代のイタリアでは、ミラノのスカラ座よりローマのオペラ座の方が重用される傾向がありました。この録音はその終盤、連合軍のイタリア上陸直前におこなわれたものです。そのような緊迫した情勢下にもかかわらず、配役は当時のイタリア・オペラ界のスターたちが集められています。中心となるのは、20世紀最高のリッカルド歌いといっても過言ではないベニアミーノ・ジーリ(1890-1957)。付録ではジーリ以前の人気テノール、アレッサンドロ・ボンチ(1870-1940)や名バリトンリッカルド・ストラッチャーリ(1875-1955)の歌が聴けます。(山崎浩太郎)(2002/03/01 発売)

リゴレット』(1945年12月29日、メトロポリタン歌劇場ライブ)

チェーザレ・ソデーロ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団演奏

レナード・ウォーレン(リゴレット)、ビドゥ・サヤン(ジルダ)、ユッシ・ビョルリング(マントヴァ公爵)

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タイトル・ロールという言葉が存在する通り、オペラのタイトルがそのまま主役の名前になっている例は無数にありますが、圧倒的に女の名が多数を占めています。「リゴレット」は例外の男ですが、プリマ・ドンナならぬプリモ・ウォーモ(男性歌手の絶対的主役)とは言い切れないところ。となれば、リゴレットマントヴァ公とその娘ジルダを加えた三役のうち、力量の大きい歌手が担う役を主役と決めるところですが、このCDのように三巨頭が揃い踏みしてしまうと、如何にすべきか?胆力のウォーレンか、美声麗しきビョルリンクか、名花サヤンか?終幕を終えたとき、あなたはそれを決定するより、ひたすら泣かされているかもしれません・・・。(2000/05/01 発売)

アイーダ』(1946)※イタリアHMV

トゥリオ・セラフィン指揮ローマ歌劇場管弦楽団演奏

マリア・カニーリア(アイーダ)、ベニャミーノ・ジーリ(ラダメス)、エベ・スティニャーニ(アムネリス)、イタロ・ターヨ(アモナスロ)

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1930年代から40年代のイタリア・オペラ界の、オールスターによる《アイーダ》です。ローマ歌劇場スカラ座の対抗馬として、ファシスト時代に著しく陣容を強化されましたが、第2次世界大戦終了1年後のこの録音の時期にも、その余韻は充分なまでに残っていました。指揮は34年以来この歌劇場の指揮者をつとめるトゥリオ・セラフィン(1878~1968)、ラダメスにはベニアミーノ・ジーリ(1890~1957)。このテノールは10年程前からこの役を歌いはじめ、この時期には十八番のひとつとしていました。他の配役にもベテラン歌手たちが勢ぞろいしています。(山崎浩太郎)(2001/10/01 発売)

『椿姫』(1949年1月22日、メトロポリタン歌劇場ライブ)

ジュゼッペ・アントニチェッリ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団演奏

エレノア・スティーバー(ヴィオレッタ)、ジュゼッペ・ディ・ステファノアルフレード)、ロバート・メリル(ジェルモン)

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イタリアのテノール、ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(1921~ )は、デビュー3年目の48年にアメリカのメトロポリタン歌劇場に初登場、情熱的な歌唱でニューヨークのオペラ・ファンたちの寵児となりました。この《椿姫》は当時のメトの聴衆たちの熱狂ぶりがつたわってくるライヴ録音です。ヒロインを歌うスティーバー(1916~ )はアメリカ生まれ、40年から63年まで長くメトのプリマ・ドンナとして活躍したソプラノです。この2人にジェルモン役のメリル(1919~ )を加え、主役3人がいずれも30才前後という、名歌手たちの若き日の競演をお楽しみください。(山崎浩太郎)(2001/01/01 発売)

リゴレット』(1950)※RCAビクター

レナート・チェリーニ指揮RCAビクター管弦楽団演奏

レナード・ウォーレン(リゴレット)、エルナ・ベルガー(ジルダ)、ジャン・ピアース(マントヴァ公爵)

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イル・トロヴァトーレ』(1952)※RCAビクター

レナート・チェリーニ指揮RCAビクター管弦楽団演奏

ユッシ・ビョルリング(マンリーコ)、ジンカ・ミラノフ(レオノーラ)、レナード・ウォーレン(ルーナ伯爵)、フェドーラ・バルビエーリ(アズチェーナ)

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LPの商品化により、欧米各国ではさかんにオペラの全曲録音が行なわれるようになりました。アメリカのRCAもライバルのコロンビア(現在のソニー)と競って、メトロポリタン歌劇場で活躍する歌手たちを主役に全曲録音を開始したのです。この《トロヴァトーレ》はRCA初期の代表的なオペラ録音として知られるものです。契約の関係でメトロポリタンのオーケストラや合唱団は使えませんでしたが、「スウェーデンのカルーソー」と称えられたユッシ・ビョルリンク(1911-60)を中心に、歌手はみな当時のメトの客席を沸かせたスターたちです。(山崎浩太郎)(2003/07/01 発売)

アイーダ』(1952)※デッカ

アルベルト・エレーデ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団演奏

レナータ・テバルディアイーダ)、マリオ・デル・モナコ(ラダメス)、エベ・スティニャーニ(アムネリス)、アルド・プロッティ(アモナスロ)

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このCDは1952年にイギリス・デッカが録音したモノラルLPの覆刻盤です。マリオ・デル・モナコ(1915-82)とレナータ・テバルディ(1922- )はLP初期のデッカ・レーベルのオペラ全曲盤で大活躍したコンビですが、この《アイーダ》はデル・モナコがデッカに録音した最初の全曲盤で、テバルディとのコンビによる初のオペラ録音ということになります。なおデル・モナコは55年以降、ラダメス役を限られた機会にしか実演では歌わなくなりました。同様に商業録音でもこの後は歌っておらず、当盤が唯一のスタジオ録音盤となっています。(山崎浩太郎)(2004/01/01 発売)

『椿姫』(1953)※チェトラ

ガブリエーレ・サンティーニ指揮トリノRAI交響楽団演奏

マリア・カラスヴィオレッタ)、フランチェスコ・アルバネーゼ(アルフレード)、ウーゴ・サヴァレーゼ(ジェルモン)

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「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」はマリア・カラスがことのほか愛したオペラでした。このCDで聞ける「椿姫」は、カラスが英国EMIと専属契約を結ぶ直前にイタリアで録音したもので、彼女がスタジオで録音した唯一の「椿姫」です。スター街道驀進中の若々しいカラスの声が聞ける貴重な記録でもあります。このCDは良質なCETRAのLPからウォード・マーストンが新たに復刻したもの。エコーやステレオ・エフェクトなどの余計な効果を一切用いず、発売当時の音質をそのまま今に蘇らせることに成功しています。(2005/04/01 発売)

運命の力』(1954)※コロムビア=EMI

トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

マリア・カラス(レオノーラ)、リチャード・タッカー(ドン・アルヴァーロ)、カルロ・タリアブーエ(ドン・カルロ)、エレーナ・ニコライ(プレツィオジッラ)

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どんな役でも易々と歌いこなすカラスですが、この「運命の力」はあまり歌う機会に恵まれなかったようです。舞台でも5回、録音は1回のみという少なさですが、ここで聴けるレオノーラには、他の歌手を圧倒する力強さと輝かしさが存分にあるのです。とりわけ第4幕のアリア「神よ平和を与えたまえ」での凄味は絶品。共演者たちの名唱も聴きどころです。マーク・オーバート=ソーン復刻(2008/04/09 発売)

ドン・カルロ』(1954)※HMV=EMI

ガブリエーレ・サンティーニ指揮ローマ歌劇場管弦楽団演奏

マリオ・フィリッペスキ(ドン・カルロ)、ボリス・クリストフ(フィリッポ2世)、アントニエッタ・ステッラ(エリザベッタ)、ティート・ゴッビ(ロドリーゴ)、エレーナ・ニコライ(エボリ公女)

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ヴェルディの作品にとどまらず、オペラの中で最も長大で錯綜した悲劇である「ドン・カルロ」。この愛憎劇を表出するためには、高声の歌手のみならず、低声の歌手にも十分な力量が求められ、また長丁場のドラマをたゆみなく演奏し進めるには、指揮者の卓越した技量が問われる、という厳しさが求められます。それゆえ名盤は数少ないのですが、最も高く評価されているもののひとつが、61年のサンティーニ盤。そしてそれに比肩するのが、この54年盤のCDです。低声の歌手たちに、気高き重厚さを持つクリストフ、ゴッビの美しさ、ニコライの奔放さと取り揃えた豪華なるキャスティングです。(2007/03/01 発売)

アイーダ』(1955)※RCAビクター

イオネル・ペルレア指揮ローマ歌劇場管弦楽団演奏

ジンカ・ミラノフ(アイーダ)、ユッシ・ビョルリング(ラダメス)、フェドーラ・バルビエーリ(アムネリス)、レナード・ウォーレン(アモナスロ)

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声質は澄み、厚みがあり、ピアニシモから一気に膨らみ上がる強烈なフォルテシモ。その劇的な表現力を持つミラノフは、まさにドラマティコ中のドラマティコ・ソプラノの名花でありました。2幕最終場でのハイEsへの跳躍こそないにしろ、彼女のゆらぎのない声は合唱を圧倒し、高らかに響きわたります。胆力あふれるウォーレンに、「永遠の青年」の美声を持ったビョルリンク、加えてクリストフが集うという、当時としては最高のメンバーによる、最強の「アイーダ」です。ボーナス・トラックの「仮面舞踏会」もハイライトながら聞き所満載。若きピーターズがリリックでユーモラスな歌声を披露しています。(2006/08/01 発売)

アイーダ』(1955)※コロムビア=EMI

トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

マリア・カラスアイーダ)、リチャード・タッカー(ラダメス)、フェドーラ・バルビエーリ(アムネリス)、ティート・ゴッビ(アモナスロ)

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カラスの「アイーダ」と言えば、メキシコ・シティーで50年にバウム(ラダメス)、51年にデル・モナコ(同)と共演した際の、伝説的な3点Esへの跳躍が語り継がれていますが、それなくとも偉大なカラスの劇的歌唱は、このグランド・オペラにおいて燦然と輝いています。「勝ちて帰れ」などで見せる力強さと繊細さ、同時代においてこれだけの表現力を持つ歌手を挙げることは難しいでしょう。オバート=ソーンによる優れた復刻技術によって、カラスのみならず、タッカー、バルビエリらの声もきわめて鮮明に再現されたこのCDは、スカラ座に於ける録音のうち、もっとも印象深いものとなってよみがえりました。スペクタキュラーな興奮が存分に味わえる一枚です。(2007/03/01 発売)

リゴレット』(1955)※コロムビア=EMI

トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

ティート・ゴッビ(リゴレット)、マリア・カラス(ジルダ)、ジュゼッペ・ディ・ステファノマントヴァ公爵)

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リゴレット」は、タイトル・ロールがバリトンであることからわかるよう、通常主役となるソプラノ、テノール以外の役にも、重責が担われるオペラです。父性と娘の愛が招く悲劇を緊密に作り上げるには、選りすぐりの歌手たちが求められます。このCDに出演しているのは、最盛期のディ・ステファノを始め、美声あるいはドラマティックな表現に秀でた選ばれしスターたち。チェプラーノ伯爵夫人といった脇役までもが、味のある歌唱を聞かせます。ポピュラーなオペラゆえ録音は数多く存在しますが、ひたすら歌に耳を傾けるだけでも満足できる稀有の名録音です。オバート=ソーンの復刻による、音質のよさも特筆できるでしょう。(2007/03/01 発売)

『椿姫』(1955)※コロムビア=EMI

トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

アントニエッタ・ステッラ(ヴィオレッタ)、ジュゼッペ・ディ・ステファノアルフレード)、ティート・ゴッビ(ジェルモン)

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この1955年の公演も本来ならマリア・カラスによって録音されるはずでした。しかし、契約の関係でそれは実現せず、替わりに登用されたのが26歳の若手、アントニエッタ・ステッラだったのです。カラスのような迫力はありませんが、艶のあるしっとりとした声と細やかな表現が魅力です。この声と恵まれた容姿を生かし大歌手へと駆け上った彼女の輝かしい記録をお楽しみください。最盛期のディ・ステファノのうっとりするような美声にも大満足です。(2008/02/06 発売)

リゴレット』(1956)※RCAビクター

イオネル・ペルレア指揮ローマ歌劇場管弦楽団演奏

ロバート・メリル(リゴレット)、ロバータ・ピータース(ジルダ)、ユッシ・ビョルリング(マントヴァ公爵)

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イル・トロヴァトーレ』(1956)※コロムビア=EMI

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

ジュゼッペ・ディ・ステファノ(マンリーコ)、マリア・カラス(レオノーラ)、ロランド・パネライ(ルーナ伯爵)、フェドーラ・バルビエーリ(アズチェーナ)

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通常、このオペラにおいてレオノーラの存在感はあまり大きくありません。なぜなら人はマンリーコの高音とアズチェーナの恨み節に酔うからです。しかし、カラスが加わると全く様相は変わります。彼女がいればこそ伯爵とマンリーコは激しい炎を燃やし、アズチェーナはどす黒い復讐の念を燃やすのです。若きカラヤンのタクトの下、緊迫のドラマの幕が開きます。 マーク・オーバート・ソーン復刻(2008/04/09 発売)

『仮面舞踏会』(1956)※コロムビア=EMI

アントニーノ・ヴォットー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団演奏

ジュゼッペ・ディ・ステファノリッカルド)、マリア・カラスアメリア)、ティート・ゴッビ(レナート)、フェドーラ・バルビエーリ(ウルリカ)

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マリア・カラスの「仮面舞踏会」と言えば、この録音の他に1957年のライヴ録音がありどちらも名演として名高いものです。名指揮者ガヴァッツェーニによると、彼女の声は落ち着きすぎていたため、アメリアをうまく歌うためには声に悲しみの色をつけなくてはいけなかったそうで、そのため歌には一層深い表現力が備わり、まさにこの世のものとも思われぬ素晴らしさになったのです。彼女なしには成り立たない完璧なヴェルディです。マーク・オーバート・ソーン復刻(2008/04/09 発売)

シモン・ボッカネグラ』(1957)※HMV=EMI

ガブリエーレ・サンティーニ指揮ローマ歌劇場管弦楽団演奏

 ティート・ゴッビ(シモン)、ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(アメーリア)、ジュゼッペ・カンポーラ(ガブリエーレ)、ボリス・クリストフ(ヤーコポ)

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14世紀の忠誠と反逆の物語。台本は多少強引ではありますが、愛と政治を巡っての激しいドラマ展開はヴェルディ(1813-1901)ならではの世界です。指導者として、親として、敵を許しながら死に赴く主人公の感動的な姿、そして運命に翻弄される周囲の人々。これぞまさに男たちのロマンです。渋いオペラですが聴けば聴くほどに感動が深まることでしょう。「この役を歌うためなら世界中どこへでも行く」と言ったというゴッビの熱唱をどうぞ。(2009/04/22 発売)

オードリー・ヘプバーン「Money Making Stars」ランキング

*1954年 - 24位(ゲーリー・クーパー3位、マリリン・モンロー5位、ウィリアム・ホールデン7位、ハンフリー・ボガート12位、バート・ランカスター13位*1ドリス・デイ18位*2グレゴリー・ペック21位*3

*1960年 - イギリス6位(ドリス・デイ1位、ケーリー・グラント3位、エリザベス・テイラー4位*4デビー・レイノルズ5位、ウィリアム・ホールデン14位、シャーリー・マクレーン17位、バート・ランカスター19位、ゲーリー・クーパー25位、ソフィア・ローレンイギリス3位、アレック・ギネスイギリス4位)

*1961年 - イギリス7位(エリザベス・テイラー1位*5ドリス・デイ3位、ケーリー・グラント5位、ウィリアム・ホールデン8位、バート・ランカスター11位、デビー・レイノルズ13位、グレゴリー・ペック20位、シャーリー・マクレーン23位、ナタリー・ウッド25位、ソフィア・ローレンイギリス2位)

*1962年 - 24位(ドリス・デイ1位*6ケーリー・グラント3位、エリザベス・テイラー6位、バート・ランカスター10位、ウィリアム・ホールデン15位、デビー・レイノルズ16位、ナタリー・ウッド19位、シャーリー・マクレーン23位、グレゴリー・ペック25位、ソフィア・ローレンイギリス7位、ショーン・コネリーイギリス10位)

*1964年 - 20位(ドリス・デイ1位、ケーリー・グラント5位、シャーリー・マクレーン7位、エリザベス・テイラー11位、デビー・レイノルズ12位、ジェームズ・ガーナー15位、グレゴリー・ペック18位、ナタリー・ウッド21位、ソフィア・ローレン24位、バート・ランカスター25位、ショーン・コネリーイギリス1位)

*1966年 - 19位、イギリス4位(ジュリー・アンドリュース1位*7ショーン・コネリー2位*8エリザベス・テイラー3位、ケーリー・グラント6位、ドリス・デイ8位、ソフィア・ローレン14位、レックス・ハリソン20位*9シャーリー・マクレーン25位)

*1967年 - 22位(ジュリー・アンドリュース1位、ショーン・コネリー5位、エリザベス・テイラー6位、ジェーン・フォンダ11位、ジェームズ・コバーン12位、ケーリー・グラント17位、シャーリー・マクレーン21位、ドリス・デイ25位)

*1968年 - 20位(ジュリー・アンドリュース3位*10エリザベス・テイラー10位、ドリス・デイ14位、ショーン・コネリー16位*11ジェーン・フォンダ17位、ウォルター・マッソー25位)

参照

en.wikipedia.org

*1:イギリス7位

*2:イギリス8位

*3:イギリス3位

*4:イギリス5位

*5:イギリス4位

*6:イギリス6位

*7:イギリス8位

*8:イギリス1位

*9:イギリス6位

*10:イギリス8位

*11:イギリス6位